1,ウラディミール・ホロヴィッツ 〜悪魔的超絶技巧と天使の音色〜
- リヒトクラシックサロン
- 2020年3月8日
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第1回目は、誰もが知る伝説的なピアニストであるウラディミール・ホロヴィッツについて紹介していきたいと思います😊

ホロヴィッツはその恐怖すら覚える悪魔的な超絶技巧と、信じられないほど純粋で甘く澄んだ黄金の音色をもった、数多くの歴史的なピアニストのなかでも稀有な存在でした。
彼の演奏を聞いた多くのピアニストが、自分の演奏との差に絶望しそのピアニスト人生に終止符を打ったという逸話もあるほどです。
彼は生前、ラフマニノフとの親交を深め、連弾や初演など数多くの歴史的な場面を共にしていきました。
ホロヴィッツの歴史的名盤の一つとして、ユージン・オーマンディ指揮「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番」が挙げられますが、ラフマニノフもホロヴィッツのラフマニノフ3番を聴いており、その際に
『私よりうまく弾く』
という言葉を貰っています。
作曲家に、ましてやあの偉大なピアニストであるラフマニノフにこのような言葉をかけられるのは、演奏家冥利につきるといえます。
偉大なピアニストである、スヴャトスラフ・リヒテルは多くの作品の録音を残していますが、どんな作品の録音を残すかという彼自身の基準に
『私の演奏よりもいい録音がない曲』
というものがあります。
リヒテルはラフマニノフの3番の録音を残していません。また、ホロヴィッツのレパートリーであった曲の多くもまた、彼は録音に残していません。正確な文献はありませんが、察するにあのリヒテルでさえもホロヴィッツのことを相当意識したと言えるでしょう。
ホロヴィッツはまさにピアノの王様であり、あの不可思議でとろけるような音色は、唯一無二のものと言えるのではないでしょうか。
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